IT導入補助金2023で補助金の交付を受けた事業者を対象に、「ITツール(ソフトウェア)継続利用に関する定期調査」が実施されています。
今回の定期調査は、IT導入補助金事務局が正式に実施しているものです。IT導入補助金の公式サイトでは、2026年9月中にITツールの利用状況に関する定期調査を実施する予定と案内されており、対象となる補助事業者は回答が必要です。
調査案内が届くと、「現在もソフトを使っていれば『はい』でよいのか」「すでに解約している場合はどうなるのか」「立入調査とは何か」といった点が気になる方もいるでしょう。
この記事では、実際のIT導入補助金2023の調査画面をもとに、回答方法と注意点を整理します。
IT導入補助金2023の定期調査とは
IT導入補助金2023の定期調査は、補助金を利用して導入したITツールが、現在も継続して利用されているかを確認するための調査です。

調査画面には、ITツールを解約・利用中止した場合には、事務局への報告義務があることが記載されています。また、回答前に「ITツールの解約・利用中止に関する案内動画」を確認するよう案内されています。
POINT
複数のITツールを導入している場合は注意が必要です。補助対象となったITツールのうち一つでも解約・利用を中止している場合には、辞退届の提出が必要と案内されています。
現在利用している主要なソフトだけではなく、IT導入補助金で補助対象となったITツール全体の契約状況を確認してから回答することが重要です。
なぜ定期調査が行われているのか
IT導入補助金では、補助金交付後にITツールの解約・利用中止などが発生した場合、事務局へ辞退届を提出する必要があります。
今回の定期調査は、ITツールの利用状況が正しく報告されていないケースが多数確認されていることを受けて実施されています。
そのため、単なるアンケートではなく、補助金で導入したITツールが現在も適正に利用されているかを確認するための調査と考えると分かりやすいでしょう。
定期調査で入力する内容
調査を進めると、最初に補助事業者を確認するための基本情報を入力します。

- 回答日
- 交付申請番号の申請年度
- 交付申請番号の後半7桁
- 補助事業者名
交付申請番号は、調査依頼メールに記載された内容を確認しながら入力します。補助事業者名は、法人の場合は申請時の法人名、個人の場合は代表者名を確認して入力します。
最も重要な質問は「ITツールを継続して利用しているか」
基本情報を入力すると、Q5で「導入したITツール(ソフトウェア)を継続して利用していますか?」と質問されます。

回答は「はい」「いいえ」の2択ですが、複数のITツールを導入している場合には判断基準に注意が必要です。
POINT
複数のITツールを導入し、そのうち一つでも解約・利用を中止している場合は「いいえ」を選択します。
例えば、補助対象として3つのITツールを導入し、そのうち2つを現在も利用していても、残り1つを解約している場合は「はい」ではありません。
申請時に何を補助対象としていたか分からない場合は、回答前に実績報告時の資料や契約内容を確認してください。
「はい」と回答すると表示される立入調査の案内
対象となったITツールを現在も継続して利用しており、「はい」を選択すると、立入調査に関する案内が表示されます。

今後、交付規程に定める「立入調査」に基づき、現地での利用状況を確認させて頂く場合があります。
「はい」と回答したすべての事業者に立入調査が実施されるという意味ではありません。
IT導入補助金では、ITツールの利用状況等を確認するため、交付規程に基づいて立入調査を実施したり、証憑の提出を求めたりする場合があります。
今回の定期調査によって新しく立入調査制度が始まったのではなく、従来から交付規程に定められている確認方法の一つです。
回答後はメールアドレスを入力する
調査の最後には、回答受付メールを受け取るためのメールアドレスを入力します。

- メールアドレス
- メールアドレス(確認用)
回答した記録を残すためにも、実際に受信できるメールアドレスを入力し、回答受付メールが届いたことを確認しておくとよいでしょう。
すでにITツールを解約している場合
すでにITツールを解約・利用停止している場合は、解約した時期によって取り扱いが異なります。
導入から1年未満・申告した利用期間未満で解約した場合
ITツールを導入から1年未満、または実績報告で提出した利用期間未満で解約・利用停止した場合は、補助事業の辞退とみなされます。
IT導入補助金2023の公式FAQでは、この場合、交付された補助金の全額返還(加算金等を含む)となり、辞退届の提出が必要とされています。
例えば、1年間利用することを前提として実績報告を行っていたにもかかわらず、その期間が終了する前に解約した場合などは注意が必要です。
導入から1年以上経過して解約した場合
ITツールの導入から1年以上、または実績報告で提出した利用期間以上が経過した後に解約した場合は、取り扱いが異なります。
IT導入補助金2023の公式FAQでは、補助事業完了日の属する年度の終了後5年間にITツールを解約・利用停止する場合には、辞退届の提出が必要とされています。
ただし、この場合の補助金返還の有無は、辞退届を提出し、状況を確認したうえで判断されます。
「現在使っていない=必ず補助金を全額返還する」という取り扱いではありません。
導入日、解約日、実績報告で申告した利用期間などによって確認すべき内容が変わります。
複数のITツールの一部だけ解約した場合
複数導入したITツールの一部やオプションだけを解約した場合も注意が必要です。
IT導入補助金2023の公式FAQでは、複数導入したITツールの一部やオプションのみを解約する場合であっても、辞退届の提出が必要とされています。ただし、役務のみを解約したケースについては例外も記載されています。
定期調査で「一つでも解約・利用を中止している場合には『いいえ』を選択してください」と案内されているのも、この取り扱いを踏まえたものです。
回答前に確認しておきたいこと
定期調査へ回答する前に、IT導入補助金で申請した内容と現在の契約状況を確認しておくとスムーズです。
- IT導入補助金で導入したITツールは何だったか
- 対象となったITツールを現在もすべて利用しているか
- 複数導入したうち、一部だけ解約していないか
- オプション等を解約していないか
- 解約・利用停止した場合、その時期はいつか
- 実績報告で申告した利用期間はどのくらいだったか
- すでに辞退届を提出しているか
数年前の申請では、当時の担当者と現在の担当者が異なる場合もあります。
現在利用しているソフトだけではなく、IT導入補助金の申請時に補助対象となっていた契約全体を確認してください。
調査メールの送信元も確認する
IT導入補助金の公式サイトでは、今回の定期調査について、事務局の「@it-hojo.jp」から電子メールで案内するとされています。
定期調査を装った不審なメールやフィッシングサイトを避けるため、メールの送信元とリンク先を確認してから回答してください。
また、迷惑メール設定や受信制限によって事務局からのメールが届かない場合もあるため、「@it-hojo.jp」からのメールを受信できる状態にしておくと安心です。
「はい」「いいえ」で迷った場合の確認方法
定期調査では、申請当時の内容と現在の利用状況を確認したうえで、事実に沿って回答することが重要です。
特に、次のような場合は回答前に確認が必要です。
- 契約内容を途中で変更している
- 複数のITツールの一部を解約した
- オプションだけ解約した
- 解約時期が分からない
- 過去に辞退届を提出したか分からない
契約書、請求書、実績報告時の資料、申請マイページなどを確認し、分からない状態のまま事実と異なる回答をしないようにしてください。
必要に応じて、IT導入補助金の後年窓口へ確認します。
まとめ
2026年9月、IT導入補助金2023の補助事業者を対象に、ITツール(ソフトウェア)の継続利用に関する定期調査が実施されています。
調査では、補助事業者の基本情報と、補助金を利用して導入したITツールを現在も継続して利用しているかを回答します。
対象となったITツールをすべて継続利用している場合は、実際の利用状況に沿って回答します。一方、一部でも解約・利用停止している場合には、「いいえ」を選択し、辞退届等の必要な手続きを確認する必要があります。
POINT
定期調査では「現在使っているか」だけでなく、IT導入補助金の申請時から現在までの契約状況を確認したうえで回答することが重要です。












